昨日残っていたセ・リーグの試合が終わり、セ、パともにレギュラーシーズンが終った。
今週末から始まるチャンピオンズリーグへ興味が移ると同時に、本格的にストーブリーグに突入していく。
先日2回に渡って記事にした東北ゴールデンイーグルスの戦力外通告を受けた選手たちは、コーチ就任で既に新しいスタートをきった人もいるし、これから行なわれるトライアウト受験のために、既に去ることが決まったチームで受験に向けて汗を流す選手もいる。
更には10月13日付けで、ゴールデンイーグルスの初代東北産選手・根市寛貴選手が任意引退を申し出て、ユニホームを脱ぐというニュースも入った。
そんな話題とともに、西武・松坂投手、東京ヤクルト・岩本選手、阪神・井川投手などの大リーグ移籍問題も本格的に動き始める。
大リーグ移籍に関しては、多かれ少なかれ誰のケースでも物議を醸し出す。
大リーグに日本人選手の有効性を証明し、現在の日本人選手の活躍の場を開拓した野茂投手の場合は、1995年、在籍した近鉄球団を「任意引退」という形で海を渡りました。
このあと前田勝宏選手などがこれに続きましたが、日本人選手の流出を危惧したNPB(日本野球機構)は、1998年に日米野球協定にポスティングシステムという制度を織り込むことにしたのです。
このポスティングシステムを使い、松坂選手らは大リーグ移籍を希望していますが、さてこの先すんなり事は運ぶのでしょうか?
ポスティングシステムの問題点や、これからのプロ野球への思いなどを今日は少し。
まずはニュースなどで耳にする「ポスティング」という制度を考えてみます。
この制度を利用する場合、まずは選手の所属球団が「契約可能選手」として、日米コミッショナーを通じて告示されなければなりません。
2年前にも大揉めした阪神・井川選手の場合は、まずこの告知まで辿り着けずに球団とやりあっています。今オフも恐らく、告示する、しないというやりとりで揉める事は必至です。
この告示がされると、告示から4日以内に、その選手の獲得を希望する球団が金銭のみに基づいた「入札額」を提示します。 あくまでも金銭のみで、そのほかの選手の受け入れ態勢のことや、ドラフトなどで時々ある「○番の背番号を用意する」といった類の条件提示は一切ありません。
そしてこの金額は、移籍希望選手の獲得が決まった際に“移籍前の球団”に支払われる「移籍金」の額になります。最も高い入札額を提示した球団が「独占交渉権」を手にし、選手と30日間交渉する権利を与えられます。ここで契約に至った場合に、初めて「入札金」が移籍前の球団に支払われ、選手は新球団と選手契約を結ぶことが出来るのです。
つまり先に井川選手の例を出しましたが、 井川選手がポスティングでの移籍を希望することは自由です。阪神が井川選手を手放したくないので、手続きをしません。
仮に今回阪神球団が手続きを踏み、告示されたとしましょう。
これで井川選手は一番高い評価をくれた球団に晴れて移籍・・・とは、いかないのがこのシステムです。
阪神球団は米球団が入札した金額が、希望に沿わない場合には、これを拒否する権限をもっているのです。
選手は移籍先を選ぶことも出来ず、最も高い入札をした球団との交渉権しかない。しかも、米球界とはいえ、一人の選手のために告ぎ込める予算は決まっています。
高い入札金を払った場合、当然そのしわ寄せは選手の契約金や年俸にくるのです。
因みに入札金の全ては、選手を保有していた球団に入り、選手には一銭も入りません。
そして移籍が成立しない場合に再度ポスティングを行なうためには、1年間待たなければなりません。納得のいかない条件提示をした入札金1位の球団でプレーをするのか、元の鞘に収まるのか、選手には二者択一の選択しか残されないのです。
ポスティングシステムのほかに大リーグへ移籍する場合、もうひとつの正当法はFA(フリーエージェント)の行使です。
この制度、一般的にはFAを宣言→希望球団と交渉→成立となった場合は、もとの所属球団に人的補償か、その選手の前年の年俸額の120%を移籍先球団は元の球団に支払う金銭的補償をしなければなりません。
ところが、選手の移籍先が海外になった場合は、この補償を受けられないのです。
そこで大リーグ移籍を視野に入れているプレーヤーに対しては、球団はFA権取得ギリギリの段階、“売り時”な時を見越して選手にポスティングでの移籍をさせ、多額の移籍金を手に入れるのです。
ニュースを見ていると、大リーグに行きたがっている井川選手をポスティングしない阪神球団は意地悪に見えますが、阪神の牧田球団社長のように「毎年、200イニングを投げてくれる投手ですから、球団のスタンスは従来と変わらない。今年も、(挑戦させて欲しいと)言ってくるでしょうから、ゆっくり話し合いたい」と話してくれることは、本当は井川選手に対して凄く有難い話なのかもしれません。
一方、この井川選手の「ポスティングしてくれよー!」という要求を「何言っているんだ!散々球団に世話になっておいて、我儘だ。渇~ッ!」などと日曜日の朝から怒鳴っていて良いのでしょうか?
大リーグ移籍を目指す選手には、野球選手として最高峰のリーグでプレーをしたいという気持ちも勿論ですが、大リーグの野球環境、観客の野球観戦の姿勢など様々な要因が存在するのではないでしょうか?
僕が選手だったら、日本の観客の声援の大きさには喜ぶものの、その音頭を取っている人が、グラウンドに背を向けて大衆を鼓舞しているのを納得できるものとは思えません。
ひとりひとりが思い思いに声援を送った結果が、あのような盛大な応援になっているのなら喜ぶでしょうが、特効服着て白手袋したお兄さんやお姉さんの音頭では嬉しさ半減です。
そして移籍を希望する米球界には、魅力ある制度が存在することも、力のある有望な選手の移籍に拍車を掛けているのではないでしょうか?
それは『年金制度』です。
大リーグでは、選手本人の負担はなく、球団が掛け金を支払う形での年金制度が存在します。この年金、大リーグに1年以上在籍をすることで権利が生まれ、最高10年在籍まで在籍期間に応じての金額が45歳を過ぎた年から受け取ることが出来ます。
その額は10年在籍選手で年間$135,000也、約1千6百万円になりますが、健康保険と投資信託による上乗せという制度もあり、9年間の大リーグ在籍を果した長谷川滋利氏は先日の「ジャンクスポーツ」で、年間18,000,000円を受け取っていると言ってました。
これが1年の在籍だと10年在籍の1/10になります。
それに対して日本の年金制度はどうなっているのでしょう?
選手は一軍、二軍とも国民年金と、企業年金の一種「税制適格退職年金」に加入。監督と登録コーチも対象で、掛け金を10年間払うと55歳から受給できることになります。
選手生活を10年未満で引退する場合は退職一時金が支払われ、10年目以降は掛け金を1年余計に払うごとに給付額もアップしますが、15年目からは掛け金がなくなる代わりに、給付額も同じです。
選手の負担額は現役の期間に応じて年71,000円から12万円。給付は現役10年で年1,133,000円、15年以上だと年1,420,000円になります。
(この他、細かい制度の仕組みはありますが)
如何ですか?この違い。
力のある選手が1年でも早く大リーグへ移籍して、プレーをしたいと考えるのは、我儘なことでしょうか?
ジャンクスポーツのなかでの長谷川氏のコメントによると、先の金額は一生受け取れ、しかも毎年金額が上がっていて、死んだあとも奥さんには年金が支払われるという制度なのです。
2000年11月5日に大好きだった元ヤクルトのエース・高野光さんが自宅マンションのベランダから飛び降り、自らの命を絶ったことは覚えていますか?(→関連記事)原因は仕事がない不安、将来への不安と考えられています。
この事件を機に、元同僚でヤクルトのドラフト同期だった栗山英樹氏が引退選手の就職支援活動を行う動きはあるものの、日本の球界の現状は厳しいのが現実です。
こうした環境の違いを考えたとき、選手が自分の力を発揮できる瞬間を米球界でと考えることは、非難できることではないと考えますが、皆さん如何でしょう?
何の活躍も約束出来ない高校球児に1億円もの契約金を支払い、「世話になったくせに」と大リーグ移籍を止めることよりも、野球選手になるひとりひとりの将来を考えた制度も球界は考えるべきではないのでしょうか?
そうしないと日本の球界は、大リーグの下部組織化する一方で、何の魅力もないものになり、結果、野球ではなく「浴衣で来れば○○円で来場できます」とか「この3連戦はスゥイーツ特集」などの客寄せを続けなければならないものになって行ってしまうだろうと考えます。
実力ある選手が、実力を発揮し、その力を捻じ伏せようとする真剣勝負をいつも見たいから願うことであります。
高野光投手はルーキーイヤーの1984年、なんと開幕投手の栄誉を掴んでいる。これは62年の巨人軍エースのジョー以来の快挙だった。その84年、もっともヒットしたのはM.J氏の「ぞっとさせる物[人]」だったが、よくこのブログをご覧頂く方は想像できると思いますが、僕はM.Jが嫌いなので、それは取り上げません。このアルバムは「?」の人でも『JUMP』はご存知でしょ?!
←「大リーグに行った選手は、選手として日本球界に復帰できないようにすれば良い」というH本氏の主張には頷けないなって方クリック!
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