うたのちから
2月9日午前10時頃マグロはえ縄漁船「幸吉丸」が「フェリーたかちほ」に当て逃げされ、乗務員ら3人が3日後の12日午前10時20分に発見されるまで小さなテント型救命ボートで6個の乾パンを分け合って漂流を続けたというニュースがありました。
「当て逃げ」という卑劣な行為と、大型フェリーの安全運行に首を傾げる体制などに怒りを持つとともに、人間の生命力に感動した事故でありました。ご記憶の方も多いと思います。
仙台に所縁のあるミュージシャンで坂本サトルさんという人がいます。青森県南部町の出身で東北大学経済学部に在学中の仙台在住時代にやっていたバンド活動が注目を浴びメジャーデビューした人です。僕は東京にいた頃からの付き合いで、結婚式にも仙台まで足を運んでもらったひとりです。
この一見なんの関係もなさそうな海難事故と一人のミュージシャン。
幸吉丸の船長・是沢幸広さんに勇気を与えていたのは、坂本サトル氏の「うた」だったという感動的な話が伝わってきたので紹介させてもらいます。
まずは2月23日付西日本新聞の記事から、
絶対帰ってベース弾く 宮崎・漁船当て逃げ 生還の是沢船長 感謝のステージ
貨物船に当て逃げされて海に放り出され、丸3日間、救命ボートで漂流した宮崎県日向市漁協所属「幸吉(ゆきよし)丸」の是沢幸広船長(48)=日向市細島=が3月10日、同県門川町であるシンガー・ソングライター坂本サトルさんのライブコンサートでバックバンドとして出演する。是沢さんは地元バンドのベースギター奏者。事故はプロとの初共演を間近にしての出来事で、漂流中は演奏予定の曲を心の中で繰り返して自らを奮い立たせたという。当日は、生きている喜びと、お世話になった人々への感謝の思いを込めてステージに立つ。
ビートルズなどにあこがれ、中学2年でギターを始めた是沢さんは約20年前、幼なじみらとロックバンド「カスタニア」を結成。坂本さんが出演する「かどがわハートフルライブ」は地元有志が12年前に始め、是沢さんも前座出演するなどしてきた。
乗組員ら3人で漂流した3日間。夜、ボートの中は凍えそうなくらい寒く、2人の顔が見えない暗闇の中で言い知れぬ不安に襲われることもあった。そんなとき、頭に浮かんだのが坂本さんの曲「アイニーヂュー」だったという。
理不尽なこと、つらいことがあっても「頑張れ、頑張れ、世界にはあなたが必要なんだよ」と、優しく鼓舞する歌詞だった。心の中で耳を傾けていると、自然とベース伴奏のアイデアが頭に浮かんだ。「せっかく思い付いたベースライン。絶対、帰って演奏する」。そう誓った。
今月12日に救出され、宮崎大付属病院に入院。3日後に退院し、自宅で手にしたベースギターの感触は格別だった。
「事故に遭い、多くの人に心配をかけた。感謝の気持ちを込め、一生懸命ステージを盛り上げたい」という是沢さんは、連日、練習に励んでいる。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20070222/20070222_060.shtml
坂本氏が知り合いだから尚更に嬉しいということもありますが、やはり音楽、うたが人に勇気を与えていたことに凄く感動をおぼえます。
そして3月11日の同じく西日本新聞には、笑顔で演奏をする是沢船長の姿が紹介されました。
「生還に感謝」曲に乗せ 転覆漁船 是沢船長 ライブでベース熱演
貨物船に当て逃げされ丸3日間、救命ボートで海上を漂流した宮崎県日向市漁協所属「幸吉(ゆきよし)丸」の是沢幸広船長(48)が10日、同県門川町であったシンガー坂本サトルさんのコンサートにバックバンドのベース奏者として出演。「捜索したり、心配して涙を流したりしてくれた人に感謝の気持ちを伝えたい」と、力強い演奏で会場を沸かせた。
是沢さんは中学2年でギターを始め、約20年前に幼なじみらとロックバンド「カスタニア」を結成。坂本さんとの共演は、コンサートを主催する地元有志の提案で実現したが、練習を始めた矢先の2月9日、操業中の鹿児島県・種子島沖で当て逃げ事故に遭った。
「ガンバレ、ガンバレ、この世界にはあなたが必要」。漂流中、坂本さんの曲「アイニーヂュー」が頭に浮かんだという是沢さん。ステージでは「この曲を心の中で繰り返し、気持ちを奮い立たせた」と振り返り、再び音楽ができる喜びをかみしめるようにバンド仲間と目を合わせたり、目を閉じたりしながら、3曲を演奏した。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/20070311/20070311_002.shtml
坂本氏の音楽をここ仙台では、東北楽天ゴールデンイーグルスの応援歌や全国でも有名な七夕祭りの前夜祭である花火大会のテーマソングを歌っていたりと触れる機会があるのですが、ほかの地域では少し露出が少なく感じています。でもこの船長さんのように彼の素敵な歌を胸に日々暮らしている人がいることも凄く嬉しいことでした。
因みに今日のタイトル「うたのちから」は坂本氏がやっているDate FM(エフエム仙台)の番組「坂本サトル~うたのちから~」から拝借しました。
坂本サトル氏のことをこの歌がキッカケで知った人も多いでしょう。
天使達の歌 / 坂本サトル
SAKAMOTO SATORU WEBは→ココ
坂本サトル生誕40周年記念ライブ特設サイトは→ココ
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プライド アーティスト:坂本サトル |
「アイニーヂュー」収録アルバムはこちらです。
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