昨日行なわれた『KIRIN WORLD CHALLENGEキリンカップサッカー2006』を見た雑感を・・・。
一言「大丈夫なのかぁ?」ってのが正直なところです。
ブルガリアはW杯で日本が対戦するクロアチアと同様のカウンター攻撃を得意とすることから「仮想クロアチア」なんて言われてましたが、試合を見たクロアチアの方は、安心することはあっても、自分たちの国を日本が脅かすとは思わないのではないでしょうか。
日本は国内組の編成だったとはいえ、相手はW杯の出場を逃した、FIFAランキングでも38位と格下の国、しかもエースのベルバトフ(レバークーゼン)やボジノフ(フィオレンティーナ)はそれぞれのリーグ戦のために召集が見送られているし、チームの主将であるS・ペトロフ(セルティック)らの主力も辞退、結局はブルガリアも国内組での編成だという。率直に言えば、2軍なのだ。
その2軍相手に負けたうえに、もっとも失点をしてはいけない時間帯に決められている。日本の弱点はサイドチェンジというのを露呈するDF陣、「両サイドの裏のスペースを突かれることは、3バックの弱点」というのは、やっている本人たちが一番把握していることだろうに、失点シーン以外でもブルガリアの前線が大きく開くとあたふたする始末。W杯まで1ヶ月という時期にきている完成度とは思えない。本当に本番までに修正ができるのだろうか?
決勝弾はペナルティーエリア左外からのFK。ゴール前の攻防で誰もボールに触れず、最後に宮本が見送ると、そのまま右サイドネットに吸い込まれた。遅れて飛びついたGK川口は「DFが触るのかどうか。その判断が難しかった。誰がボールに行くのかを、しっかり判断して対応しなければならなかった」と悔しそうに振り返った。
という新聞記事があったが、試合開始直後の失点もロスタイムの失点も、ボールへの執着がない消極的な姿勢が生んでいる。
そもそもこのチーム、W杯本番へ行く当選組と、まだ当落線上にいる選手で構成されているが、僕の目には「当選確実」の花びらを付けられた選手の積極性のなさが目について腹がたった。新聞などでは、途中で出場した三都主選手に対しての評価が、巻のゴールにも繋がるシュートがあったせいもあり高いが、僕の目には交代でグランドに入る時から「俺は怪我さえしなければ、ドイツ行ける」って表情に見えた。村井選手が必死にプレーをし、怪我をしたことをあざ笑うかのようだ。
決勝点に関しては、その選手達の姿勢のほかに根本的な問題を感じる。FKを決められたことは先に書いた問題だが、それ以上に、あの時間、あの場所でゴールに背を向けている相手にファールをしてFKを与えたことが問題ではないのか!ねぇ加地くん、大丈夫なのかぁ?
とにかくチームの勝ち以上に、自分の“代表の座”のためのプレーが目立った試合だが、そんな中でひとり“フォア・ザ・チーム”の態度を感じた選手がいる。佐藤寿人選手だ。この男、第4審判に交代の紙が渡り、プレーが途切れるのを待っているときに、その交代の対象である巻選手がゴールを決めるのをピッチサイドで見るわけだが、この時の喜びようは「自分が代表に選ばれることも大事だが、それ以上にチームが勝つことが大事なんだ」って感じがした。代表の座を争っている巻選手が相手でもだ。
僕は、佐藤寿人を応援しているから贔屓目な部分も勿論ある。でも、この男はJ2にベガルタ仙台が陥落した時に、「自分の手でJ1復帰を」と言って、オファーのきていた市原や広島でのプレーを断っている。この時にベガルタを見捨てJ1でのプレーを選んでいれば、もっと早い時期に代表に召集されていたかもしれない、でも奴は1年間ベガルタでのプレーを選んだ。ベガルタは彼の気持ちの甲斐なく昇格をすることが出来ずに、翌年広島へ移籍をしたわけだが、その時彼が流した涙は忘れることが出来ない。
佐藤寿人とは、そういう男なんだ。
それに対して1年以上に渡って代表でのゴールをあげられないにも関わらず、昨日も90分間FWとしてピッチに立っていた選手がいる。この選手は前のエクアドル戦では、寿人と交代しベンチから寿人のゴールを見つめていた。このときの不愉快そうな表情も印象的である。その人は昨年所属したチームがJ2に降格したのをうけ、とっととJ1でプレーを続けられる道を選び移籍したのも、また面白い。
そういえば、僕の大好きな“ゴン”中山雅史選手も、Jリーグ発足時Jリーグに加入できなかったヤマハでのプレーを、ほかのチームからのオファーを断って続けた。それでも代表の座を掴んだ。ボールがラインから出るまで、生きている限りは何処までも追い続けるプレースタイルにも共通な姿勢を感じる。寿人選手には、今はやれる限りのことをやってもらうしかない。
代表の試合中に実況が「加地が~」と加地選手のプレーを取り上げるたびに、スネークマンショーの「はい。カジです」と火事になった家の人が、カジさんの家へ電話をする話を思い出す。「お宅もカジですか~!奇遇ですねぇ~!」って・・・
最近のコメント